今年最後になる新作 Puckerbait
少し新作ルアーの話をさせていただきたいと思います。
イメージを形にして商品にするまで多くの問題点を一つ一つ改善していく作業になるのですが、今回が最終のサンプルにたどり着くまでに、一番苦労したルアーかもしれません。
はじめに出来た数個のサンプルのうち1個がとても理想に近いものになり、そこから何個か煮詰めていくうちに、量産は難しいのかも‥‥と思いました。
ルアーは重心移動のペンシルなのですが、ウェイトが高い音を奏でる、斜め浮きのルアーになります。
大きな特徴としては、アングラーにも聞こえるパチっというサウンド。ブルーギルや小バスが水面の虫を食べる時に聞こえる音に近いかもしれません。
私が求めるルアーは操る楽しさや釣れそうだなぁという感覚、そして気持ち良さを考え、ノッカータイプに求めるものは、魚だけでなく私達にもしっかり聞こえるような音でなくてはいけないということがサンプルを作っていくうちに重要だと考えるようになりました。
ボートに乗って自然の音も聞こえる中で、10メートル、20メートル離れた時に聞こえる金属と金属のぶつかる音は、大きな音ということではなく音の質が重要だということが何個か作っていく上で気がつきました。
ウェイトなどの素材を色々試すところから始まり、比較的早く素材は決定したのですが、ここからが大変な作業となります。
私達の作りたいものはウッドプラグであり、ばらつきのある木材をいかに減らして、一番適したウッドの重さ、軽すぎてはネジが効かなかったり、重すぎてはルアー自体が機能しなかったりと、最適な木材と数を揃えることが何より大変なことでした。
そして今回使用する木材は桐。
プロトでは昔よく使ってましたが、今回まとまった数を揃えたのは初めてです。
木材屋さんで長い間自然乾燥をさせた木の外側よりの部分にあたる比較的軽く、そして硬さも適度にある部位だけを無理言って選別いただきました。
かれこれ、9年間無理を聞いていただいている木材屋さんですが、お話をして打ち合わせをしていくうちにウッドルアーに深くご理解をいただき、重さや必要な硬度のある部位など細かいこちらの希望を苦労されながら、木材を用意してくれる事が可能になりました。
形状や大きさを変えて何度か試して答えに近づけていく作業を再度桐材で行い、ようやくイメージ通りのルアーが完成致しましたので、10月下旬頃を目標に早く製品としてリリースができたらと思います。只今ウェイトを入れている最中です。
内部も少し見ていただくと、加工で一番難しい角度をつけた穴開けの作業、半割りにして穴の直径とルアー強度を確認して、ビスの長さも決定します。
今はこの中にウェイトを入れて蓋をする作業を終えるところになります。
また進行と共にご紹介させていただきたいと思います。
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進行状況